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栄養食品ベンチャーが後発組でも大成功できた理由
【第2号】独自の視点から差別化を実現した栄養食品ベンチャー企業。この差別化に至るまでには数々の失敗があった。後発組でも勝てるお手本のような事例。
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よーすけ
2024/01/26

第2回目は栄養食品ベンチャー企業を取り上げる。この企業の失敗、そしてその後の大成功からはあなたにも役に立つ多くの知見が学べる。


このニュースレターでは、起業家が失敗を乗り越えて得た学びをまとめてお届けする。

先人たちの事例を毎回ひとつとりあげ、その失敗の原因から乗り越えた方法、さらに学びまでを徹底的に解説していく。本業・副業で成果を出したい人なら必ず参考になるはず。





👻ジャバ・ザ・ハットリさんに紹介していただきました


みんなのニュースレターの開発者であるジャバ・ザ・ハットリさんに私の記事を紹介していただきました。


詳細はこちらの記事👇



私がニュースレターを始めたのはジャバ・ザ・ハットリさんの影響がほぼ100%。「ニュースレターってこんなにすごいのか!」と思わせてくれる素晴らしいものを毎週発行されている。


まだ読んでない方はぜひ読んでみてください。課金しても全く後悔しないニュースレターを発行しています。(このクオリティでこの値段はむしろ安すぎると思う)





🍄【起業における復活劇を勝手に分析】栄養食品ベンチャーの後発組らしい攻め方


今回紹介する企業はEarth & Starという栄養食品会社。

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この会社は「アダプトジェニックマッシュルーム」とういう栄養価が高いキノコを使った栄養食品を販売している。


このキノコはストレスを緩和し、健康を促進すると言われている高機能食品だ。近年の健康ブームから注目が集まっている食材。今後もアダプトジェニックマッシュルーム市場は年10%以上で成長していくと言われている注目市場だ。(参考


アダプトジェニックマッシュルームの写真👇

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そんな市場の中でEarth & Starはユニークな商品を発売。他社のと差別化を実現している。しかし、この企業はアダプトジェニックマッシュルーム市場へ後発組として参入した。


どのような経緯で差別化まで至ったのか。それまでにどのような失敗をして、どのように乗り越えたのか。その経験から学んだことまで含め詳しく解説していく。




👩起業したのは親友二人組


この会社を起業したのはErica HussとZoe Sakoutisの女性二人組。

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二人は近所のバーでたまたま出会った。そこから意気投合し、最終的にビジネスをやるようになる。ちなみに出会った当時は2人ともビジネス経験ゼロ。人脈も知識もお金も何もない。そんな二人がどのように成功したのか。その軌跡をたどってみよう。




🥤最初のビジネスは「ジュースブランド立ち上げ」


初めに彼女たちが取り組んだビジネスは「BluePrint Cleanse」というジュースブランドの立ち上げ。当時、彼女たちはビジネス初心者。当然、様々な困難に当たった。そんな逆境を乗り越えながら多くの学びを得る。


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彼女たちが出会った当時、二人は「ローフーディスト」に興味があった。ローフーディストは特定の温度(通常は約40~48℃)以下で加工された食品しか摂取しないという健康法。


食品の栄養素を最大限に保持するという考えに基づいており、生の果物、野菜、ナッツ、種子などが主な食材となる。過熱により栄養素が失われるという考え方で、取り組んでいる人が多い健康法だ。


そして、彼女たちはさらに健康について学んでいく。その結果、行きついたのは「クレンジング」というアイディア。これは一定期間、固形物を食べないことで体をリセットする考え。今でいう所のプチ断食に近いだろう。


この「クレンジング」を極めるため、プエルトリコのAnne Wigmore研究所を訪問。しばらく滞在しながら健康について学んだ。そこでの経験は素晴らしいものだった。


全員が健康に真摯に向き合っている。食材や調理方法などに最大点こだわって食事をする。そうすることで実際に重い病気を患っている人が元気になっていく姿を何人も見た。


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しかし、同時にある疑問を感じる。「この健康法を誰でも気軽に取り組めるようにするべきではないか」と。

研究所は海外の離島にある。日常生活を送りながらここに通うことは現実的ではない。そして、栄養バランスを考えながらクレンジング用の食事を作るのもハードルが高い。街中で簡単にできるような健康方法ではないのだ。


ここにビジネスの可能性を感じた彼女たちはローフーディストを採用したクレンジング用ジュースを作り始めた。


ポイントは「簡単に美味しく続けることができる」こと。飲み方は簡単。6本のジュースが届くのでそれを1日1本ずつ飲んでいくだけ。他の固形物は摂取しないことで、栄養バランスを保ちながらクレンジングに取り組める。


素材や調理方法にこだわり、鮮度を高くする工夫もした。味にもこだわり、美味しく仕上げることで継続しやすくしている。


さらに、初心者向けから上級者向けまで幅広い商品を提供。このように日常生活を送りながらも健康になれる商品を作って販売した。




👪彼女たちは顧客と向き合い続けた


素晴らしいコンセプトに見えるこの商品も初めから順風満帆だったわけではない。実は、ビジネスを始める際にほぼ全員から「そんなものがうまくいくはずがない」と言われた。


まず、コストが高い。当時BluePrint Cleanseは類似品の3倍以上の値段がした。


しかも、鮮度を高く保つため賞味期限が短い。効率よく生産できる設備も持っていない。


普通に考えたらうまくいかないビジネスに見えるだろう。


しかし、彼女たちは顧客に向き合い続けた。実際にローフードをベースにしたレストランへ毎日通い、顧客調査を行った。


さらに、酪農が盛んな地域のコミュニティへアクセスし、その人たちからの意見も募った。その結果、需要があることを確信。自信を持って商品化を進めた。


いくら頭で考えても真実は見えてこない。実際に行動を起こし。自分の目で確認することが大事であることが分かる。


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そして、この商品の売り方も素晴らしかった。彼女たちは商品ではなく「コミュニティ」を売った。


商品を買った人同士でコミュニケーションを取れるようにすることで、全員で健康を手に入れるような機会を提供した。「みんなで協力して頑張っている」という感覚にすることで、クレンジングを楽しいものにしたのだ。


売れるものは商品の機能だけではない。その商品に付随する体験まで売る。これが差別化につながるポイントであることが学べる。


学びポイント
✅考えるばかりではなく、実際に自分の目で確認することが大事
✅商品に付随する体験まで売れば差別化できる




🙌起業は大成功!だがしかし…


最終的にこのジュースブランドはhain celestialとういう会社に買収された。


彼女たちもこの会社に入社しブランド運営にかかわることに。起業家として最高のイグジットを達成。大企業の資金とブランド力を使いさらに商品を展開できるはずだった。


しかし、ここで壁にあたる。彼女たちにとっては大事なブランドでも、企業にとっては一つの手段でしかなかった。


主力商品でないため扱いが悪く、彼女たちの思い通りに商品展開ができない。そんな時やってきたのが、コロナパンデミック。事業再編の一環でこのブランドはついに閉鎖されてしまった。


企業内の「男尊女卑」の雰囲気にも疲弊してしまった彼女たち。会社を辞めて再びビジネスを始めることを決める。




👶妊婦向け商材での大失敗


彼女たちが次に取り組んだのが「妊婦向けのビタミン食品」。


錠剤やグミなどで摂取するのではなく、実際の食品でビタミンを取るというコンセプトだった。彼女たちは商品の開発を行い、実際の商品が完成。満足がいく完成度に仕上がった。


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しかし、ビジネスとしてうまくいかなかった。いったいなぜなのか。この経験からも彼女たちは多くの学びを得ている。




🍼開発アプローチのミス


上手くいかなかった主な原因は「開発アプローチのミス」。


1つ目のミスは市場の見極め。

妊婦向けという非常に小さな市場に対しての商品を作ってしまった。妊婦である期間は1年もない。その期間が終わると顧客ではなくなってしまう。サイクルが短い市場を狙ったのがミスだった。


この失敗から需要を確認してから取り組む重要さが分かる。


2つ目は開発方法について。

妊婦向け食品の前例はなく、彼女たちが初めてだった。前例がないものを開発するには莫大な資金がかかる。


今回開発するものは鮮度が高い食品なので製造や保管にもさらにお金がかかる。その資金を自分たちのお金でまかない開発を行ってしまった。


彼女たちはこう言っている。

今回のようにリスクが高い場合には大手の企業から資金を投資してもらうべきだった。

実際には高額な設備投資やサプライチェーンの確保が必要だ。そのためには大企業の力が必要だった。


この商品は実際に開発して、注文が取るところまではいった。しかし、二人だけではその商品を生産し続けることができなかった。


開発する商品によって最適な開発方法は違う。過去の成功体験に固執してしまうと視野が狭くなってしまう。今取り組んでいることを成功させるために最適なアプローチは何かを考えることが大事だ。


学びポイント
✅需要があることを確認してから始めるのが大事
✅過去の成功体験に縛られず、今できる最適なアプローチが何かを考える





🍄後発組からのビジネススタート


妊婦用商品で失敗した彼女たち。次のビジネスは何をするのか。


話し合っていた時にあることに気付く。それは二人ともアダプトジェニックマッシュルームを摂取していること。


当時、アダプトジェニックマッシュルームを提供している会社は3社しかなかった。そしてどれも美味しくない。ほどんどが粉末や錠剤であり、喜んで摂取したいと思えるようなものではなかった。


そこで彼女たちは便利で美味しく摂取できる商品を作ることに決める。現在、Earth & Starではコーヒーとグミを提供。


生活の一部に入り込めるような素晴らしい商品になっている。これによりアダプトジェニックマッシュルームを摂取する人が増え、売り上げも好調。実店舗展開も行い事業を拡大している。

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Earth & Starについて彼女たちは以下のように語った。


最初に参入した企業が成功するとは限りません。すでにあるコンセプトを改良することで成功に近づくことができます。

すでに需要があることも確認できるし、改良すれば全く違うビジネスモデルにもなる。2番手、3番手にも多くの利点があります。


他人のビジネスを注意深く観察することは新しいビジネスチャンスにつながる。欠点は何か、どうすればもっと良くなるのか。よく考えて、改善すれば成功へ最短距離で進めるかもしれない。

新しいところへ飛び込むよりも、この方がより安全に成功できることが学べる。



学びポイント
✅すでにあるビジネスを改善すれば新しいビジネスチャンスになる




🎈小さな成功体験が継続につながる


ビジネスをしていると「本当にこの方向に進んでいいんだろうか…」という不安に襲われる人が多い。その解決策を彼女たちは提示してくれている。


最初に小さな規模で客観的に実証しましょう。そこで成功体験を得ることで自信を持って進むことができます。


彼女たちはBluePrint Cleanse・Earth & Starの両方で最初に検証を行っている。そしてうまくいく確信を持ってから進んだ。だからこそ自信を持って継続できたのだろう。


これは特に副業に生きる知見ではないだろうか。

副業は自由度が高いため何をしてもいい。逆に言うと「何をしていいか分からない」という状態になりやすい。


そんな時は小規模でいいので検証してみよう。うまくいけば自信を持って継続できる。


「このままでいいのだろうか」という不安を抱えている方。小さくチャレンジして誰かからフィードバックをもらうのがおすすめ。そうすればあなたが進むべき方向が分かるかもしれない。


学びポイント
✅最初に小さく検証することで自信をつける




🙆‍♂️フィールドバックにオープンであれ


Earth & Starを立ち上げる際には商品へのフィードバックを重視した。購入者からの反応を確認し商品に反映した。こうすることで、さらにいい商品を作っている。


常に進化し続けないといけないし、常に外部からの影響を受けないといけない。

フィードバック・変化に対してオープンにならないといけない。変化することで最初に思い描いていたものと全く違うものになるかもしれないが、変化を恐れてはいけない。


人間は変化を恐れる生き物だ。あなたも特に問題がなければ現状維持してしまうのではないだろうか。

しかし、これでは成功できない。変化できていないと思う人は外部からの刺激を受けてみよう。そうすれば変化のきっかけになる。

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このニュースレターも皆さんの声を反映させて変化させていきたいと思っている。

当初思い描いていたものと全く違うものになるかもしれない。しかし、そうなる覚悟はある。そのためにもあなたのフィードバックが重要だ。

感想や「もっとこうしたほうがいい」などあればぜひこちらからよろしくお願いします。


学びポイント
✅常に外部から刺激を受け、変化し続ける




📜最後に


今回の事例を調べてみて、私も大変勉強になった。

「このまま継続していいのか」「一体何をすればいいのか」というのは、副業をやっていて不安に思うことが多かった。


彼女たちの経験を通して「小さく検証する」「他の人のビジネスを真似して改善する」という素晴らしい選択肢があることが分かった。


皆さんもぜひやってみてください。


★今回の学び
✅考えるばかりではなく、実際に自分の目で確認することが大事
✅商品に付随する体験まで売れば差別化できる
✅需要があることを確認してから始めるのが大事
✅過去の成功体験に縛られず、今できる最適なアプローチが何かを考える
✅すでにあるビジネスを改善すれば新しいビジネスチャンスになる
✅最初に小さく検証することで自信をつける
✅常に外部から刺激を受け、変化し続ける


今回は以上です。




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