第9回目はサプリメントのベンチャー企業を取り上げる。この会社のCEOはとんでもない実績の持ち主。いくつもの会社を立ち上げ成功させてきた。そんな彼は何を考えているのか。これを知れば彼が成功することに思わず納得してしまうだろう。
このニュースレターでは、起業家が失敗を乗り越えて得た学びをお届けする。
先人たちの事例を毎回ひとつとりあげ、その失敗の原因から乗り越えた方法、さらに学びまでを徹底的に解説していく。本業・副業で成果を出したい人なら必ず参考になるはず。
今回紹介するのはViome(ヴィオーム)というサプリメント会社。
この会社は個人のためにカスタムされたサプリメントなどを販売している。
具体的なビジネスモデルは以下の通り。
腸内環境をはじめとする体の性質は人によって違う。したがって、摂取するべき栄養素は全員同じではない。
この会社ではまずサンプル(基本的には便)をユーザーに送ってもらう。そこから解析を行い、その人の体内環境を特定する。
そして、その人向けにパーソナライズされた栄養指導を実施。栄養素を特別に調合したサプリメントも販売する。
このように「パーソナライズ」がこの会社の特徴。栄養素だけでなく、なんと口内環境を考慮した歯磨き粉までも販売している。
実はこのビジネス、CEOが考える「起業家のあるべき姿」に沿って立ち上げられた。私もこれを知ったときは感心してしまった。
あなたも真似できるこの考え方は後ほど紹介する。
この会社を立ち上げたのはNaveen Jainという男性。
この人の経歴は素晴らしい。
もともと移民としてインドからアメリカにやってきた。
彼は優秀だった訳ではない。
最初は英語もあまり話せなかった。時給5ドル程度の仕事でインターンとして働いていた。防寒具もなく、冬は凍えていた。革靴も穴が開いたものを使っていたそうだ。
そこから彼は起業家として成功する。
ちなみに彼が立ち上げたのは先ほど紹介したViome(ヴィオーム)だけではない。
1996年にInfoSpace(インフォスペース)という会社を立ち上げサーチエンジンを作った。そして、インターネットバブルに乗って会社を大きく成長させた。
さらに2010年にはMoon Express(ムーン・エクスプレス)という会社を立ち上げる。月面への着陸船の開発を行っており、世界で初めて月へのミッションを行う権利をアメリカ政府からもらった企業として有名だ。
そんな彼はどのように考えてビジネスを行っているのだろうか。
彼のスタンスは起業家として素晴らしい。あなたがそのまま真似できるところもたくさんある。ぜひ参考にして今後の本業・副業に生かしてほしい。
最初に一つ断っておく。このニュースレターの目的は起業家の失敗談から学びを得ることだ。
しかし、彼には失敗がない。正確にいうと失敗を失敗としてとらえていない。
彼も起業するにあたって数々の困難を乗り越えだろう。その際にうまくいかないこともたくさんあったはずだ。
しかし、そんな経験も彼にとってはすべて成功なのだ。彼は失敗談を全く話さない。
そのため、この記事にも失敗談はない。彼が考える『ビジネスにおいて大事な考え方』をまとめていく。
この考え方は彼の壮絶な経験から学んでいるはず。私もこの考え方を学び「説得力がすさまじい」と感じた。ぜひあなたもこのすごさに触れてほしい。
彼はインドからアメリカやってきた移民だった。
当時、6人で1つの部屋に住んでいた。給料は安く。まともな生活もできていなかった。
そこから彼は億万長者まで上り詰めていく。
しかし、この物語について彼はあまり語らない。自分のことではなく、あなたの学びになることを積極的に話そうとするからだ。
そんな彼の話を聞いていると、成功するべくして成功していると感じる。思わずそう感じてしまう彼の頭の中をのぞいていく。
彼は失敗を『実験』であると定義している。
失敗は悪いことではない。何がうまくいかないかを学ぶ機会だ。
だからこそ何度も実験をしてデータを集めないといけない。データを集めないと成功までたどり着けないのだから。
そして彼が唯一失敗と定義していることは「挑戦をやめる」こと。この点で、彼は人生で一度も失敗していない。
あなたは高速で実験できているだろうか。失敗してデータを集めているだろうか。
ビジネスや人間関係を一つの壮大な実験と定義してみよう。そうすれば何事にも積極的にチャレンジできるはず。
学びポイント
✅失敗はデータを集めるための機会
彼はバスケットボールから成果を出す人の特徴を学んだ。
ある日、彼は有名なバスケットボール選手であるコービー・ブライアントの試合を見ていた。
ある試合で、コービーは5本のシュートを打った。そして全て決めて10~12点程度を記録した。
またある試合で、コービーは60本のシュートを打った。そして半分しか決まらなかった。しかし、彼は1試合で30点以上を記録したのだ。
より多くの得点をたたき出すのは後者だ。つまり、失敗を恐れずシュートを打ち続けることが得点を生むコツなのだ。
大事なのは成功確率ではない。試行回数だ。
あなたはシュートを打ち続けることができているだろうか。外しても全く問題ない。またシュートを打てばいいだけなのだから。
自分がどのような分野に参入していけばいいのか悩む人もいるだろう。そんな人に向けて彼はこのように言っている。
自分の知識がない分野に参入するべきだ。
専門家になると既存の枠組みの中で考えてしまう。そのため本質的な改革や根本的な変化を引き起こせないのだ。
その分野の根底からひっくり返すことができるのは無知の人。だからこそフラットな視点を持てる知識がない分野に参入するべきであると言っている。
ビジネスを始めるにあたりこのように言う人は多い。
これは全く逆の方向に進んでいる。知識がないからこそやるのだ。下手に知識を付けてしまうと視野が狭くなってしまう。
まずは思い切って行動してみよう。知識が付く前に新鮮な視点で考えてみよう。それが最大のアドバンテージになる。
学びポイント
✅ビジネスには知識がない分野に参入する
知識がない分野に飛び込んだとして、どのように新しいビジネスを生み出せばいいのか。
彼は「他の人とは異なる視点で考える」ことが重要であると言っている。
例えばあなたが世界の食糧問題に取り組むとしよう。
あなたは何を考えるだろうか。
このあたりではないだろうか。
しかし、彼は異なる視点で考える。
なぜ人は食事をするのだろうか。
体にエネルギーを送る方法は食事だけなのだろうか。
光合成や放射線物質をエネルギーにする細菌のような仕組みを人に導入できないだろうか。
もしこれが実現すれば人間は食糧危機を根本から解決できるだろう。
このように既存の枠組みにとらわれない発想は重要だ。これができれば今までにない解決策を考えることができる。
あなたもぜひ異なる視点を持てているか、従来の考え方に縛られていないかを考えてみてほしい。
学びポイント
✅従来にない異なる視点からビジネスは生まれる
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